次回公演まで記事に託して

こんばんは、情報宣伝の小原です。
ついに卒業公演も千秋楽を迎えました。稽古場から遠く離れてブログばかり書いていた小原の仕事も終わりです。

今回の公演の全体目標は「次に繋がる公演」でした。
そこで今日は、後輩たちの今後に興味を持って頂ければと稽古場にいなかったことを逆手にとった「リアル観劇録」を書いてみます。ブログで張ってきた伏線も回収していきますよ。

私が観たのは楽日マチネ、つまりお昼の公演です。
一応参加者ですので開場前に客席に到着し、目に飛び込んできた舞台はまた見事な……ブログで○○とされていた杉本さんが舞台美術として入部以来作り続けてきたものは階段でした。

開演すると、まず主人公の宮本くんが登場。かき氷を全面に押し出したTシャツが鮮やか。ていうか、眼鏡外したところを初めて見ました。確かに「誰?」ってなるわ。

冒頭の余韻も明けぬまま舞台は7年後に(って初見のお客さんにはわかりづらいんだよな、と思っていると……)早着替えで髪型までいじる日野林さん。おお、雰囲気変わった。
旅人たる藤田さんと里帰りの宮本くんがそれぞれ島に着いた場面で、物語の始まりらしい始まりです。

突然挟まる短い火事シーン。時計らしい真面目がコミカルな男子たちのお出まし。

それから民宿「舞姫」へと移動して、新たな登場人物が続々と。一年生佐藤さんの妹キャラが可愛いぜ。四年生中村くんはさすがという感じで、私の隣に座るOBさんがクスクスしてました(名物男って素敵ですね)。

内容は段々深刻に。特にYシャツ姿の「今」の宮本くんと、夏らしいTシャツのまま「7年前」の望月くんの会話が。
察しの良い方はすぐに分かったかもしれませんね。彼が回想の中にしかいないことに……。

ちなみに時計ファンサービスとして噂されていたモブキャラは場転要員の馬場くんと関口くん。馬場くんはバンク以来4年ぶりの舞台だそうです。

やがて登場人物たちは各々の過去を語り始める。ただ話すだけでなく回想シーンとして演出していく構想が巧みです。
今まで逃げてきたつらい記憶、相手にぶつけることが自分と向き合うことにもなる。そんな風に少しずつ気持ちが変わっていく、前を向きたい。
並木くんの書いた言葉はストレートです。特にクライマックスの「薫が死んだのはお前のせいだ」という台詞は、最初に脚本を読んだ時に「言っちゃうんだ……」とちょっと衝撃を受けました。
また、この物語は宮本くんと日野林さんの2人がいわゆる主演ですが、舞台を見てみるとむしろ何も知らない役所の藤田さんが回してくれていました。彼女は小説でいうところの焦点人物(語り手よりは聞き手として)だったのではないでしょうか。

物語は船出で終わる。島を出ていく者、見送る者、それぞれが前を向いて。
そうそう、意味深な最年長キャラ島田くん。まさかのお父さん役でしたね。サングラスがやばい、似合ってました。

カーテンコールで役者さんたちが現れてお辞儀をする。なんか、こんなにたくさんの人が出てたんだな……。

学生劇団にとって、人手の問題は結構あります。毎回20人前後で公演を立てていますから役者兼任が多ければそれだけスタッフの仕事は大変になる。それでもなんとかなるのは、やっぱり演劇が楽しいからではないでしょうか。
そして感情は見ているお客様にも伝わります。今回はなかなか重たい内容の話でしたが、やっぱり楽しいし面白い。そんな楽しい楽しい演劇を、これからも後輩たちが引き継いでくれるはずです。
お、なんか流れで書いてきたけどいい感じに〆っぽくなってきましたね。

こんな先輩についてきて更には引っ張ってくれた情宣の風紗音ちゃん、
私の我が儘をいっぱい聞いてくれた後輩たち、
公演を観にいらしてくださったお客様、
そしてブログを読んでくれたあなた!
ここ1ヶ月はもうブログが生きがいでして「ブログ読んだよ」という言葉をたくさん頂いて感激です。本当にありがとうございました。
これで最後(それも5年間の最後)だと思うとついダラダラと書いてしまいましたが、私は時計を卒業します。次に繋げるために書いておくと「自分が創作したモノを世に出したい」という願望はまだまだあるので、もしかしたらまた出会えるかもしれません。その日まで。
(完全に自分のことになってしまったけれど、公演の〆は誰かがやってくれるはずだ……)

最後の言葉はワンパターンかもしれませんが、
本当に本当に、みんな大好きです。愛してるぜ!